(Q3)保護開始時の解約返戻金相当額については、どのような法的根拠に基づき返還が求められますか?(Q4)保護開始時の解約返戻金相当額以外の額については、どのような条件で収入認定の除外対象となりますか?

(A3)法的根拠は、主に生活保護法63条です。

生活保護法63条は、簡単にいうと、

「本当は資力があったが、すぐには使えなかったため生活保護を受けた場合、あとでその資力が現金化されたら、受けた保護費の範囲内で返還しなければならない」

という規定です。

生命保険の解約返戻金も、保護開始時点で存在していた場合は、理屈上は本人の資産です。ただし、すぐに解約させると生活や保障に支障があるなどの理由で、福祉事務所が解約を求めず、保有を認めることがあります。

その後、本人が保険を解約して解約返戻金を受け取ると、
「保護開始時にすでにあった資産が、後から現金化された」
と評価されます。

そのため、厚労省資料でも、処分指導を留保した保険を後に解約した場合、受領した解約返戻金について、生活保護法63条に基づき、保護開始時の解約返戻金相当額の返還を求めるとされています。

まとめると、

保護開始時の解約返戻金相当額
=保護開始時にすでに存在していた資産
=後で解約して現金化された場合、生活保護法63条により返還対象

という理解です。

(A4)保護開始時の解約返戻金相当額を超える部分は、一定の条件を満たせば、収入認定の除外対象になります。

条件は、簡単にいうと次のとおりです。

  1. 保護費のやり繰りや、受給中の積立に近い性質のものといえること
    保護開始時からあった資産部分ではなく、開始後に増えた部分であること。
  2. 使い道が生活保護の趣旨・目的に反しないこと
    たとえば、子どもの就学費用、生活再建費、転居費用、家具什器、就労準備費など、自立更生に必要な支出です。
  3. 不正な蓄財や未申告収入によるものではないこと
    収入を隠して貯めたものなどは除外されません。

厚労省の実施要領上も、開始時の解約返戻金相当額以外については、「保護費のやり繰りによって生じた預貯金等」と同様に、使用目的が生活保護の趣旨目的に反しない場合は収入認定除外として扱うとされています。

つまり、

開始時の返戻金相当額
→ 原則、生活保護法63条で返還対象

それを超える部分
→ 使い道が自立更生・生活維持に必要なら、収入認定除外の余地あり

という整理です。

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