(Q1)単身者が退院または退所する前の住宅費の認定は、どの機関が行うべきですか?(Q2)単身者が退院または退所した月の住宅費の認定は、どの機関が行うべきですか?

(A1)はい。単身者が退院・退所する前の住宅費をどこが認定するかは、その時点で生活保護の「実施責任」を負っている福祉事務所(保護の実施機関)が判断するのが基本です。

たとえば、入院前から生活保護を受けていて、退院後も元の住居に戻る予定で、その住居が引き続き「居住地」として認められている場合は、入院前から保護を実施している福祉事務所が、引き続き住宅扶助の認定を行います。 厚生労働省も、入院後も居宅があり、退院後その地域に戻る予定の場合には、入院前の居住地を管轄する自治体が保護を実施する考え方を示しています。

一方、入院・入所前の住居がすでになくなっており、「居住地のない入院患者」や「居住地のない介護老人保健施設入所者」になっている場合は、原則として、現在入院・入所している医療機関や介護老人保健施設の所在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負います。

したがって、簡単に整理すると、

元の住居が残っている → 原則、入院・入所前から担当している福祉事務所

元の住居がなく、居住地もない → 原則、現在の病院・介護老人保健施設所在地の福祉事務所

となります。

なお、「退院後に新しく借りる住宅の敷金・家賃等を、退院前にどこの福祉事務所が認定するのか」という意味であれば、これは少し別の論点になります。転居先の福祉事務所と現在の実施機関との間で事前に連絡・調整して認定するケースがあります。必要であれば、次にこの「退院前に新居を確保する場合の住宅扶助はどちらの福祉事務所が出すのか」まで具体例で整理できます。

(A2)はい。単身者が退院・退所した月の住宅費は、原則として、その人について生活保護の実施責任を負っている福祉事務所(保護の実施機関)が認定します。

厚生労働省の実施要領では、保護受給中の単身者が月の途中で病院・施設から退院・退所した場合、日割り家賃だけでは実際に必要な家賃を賄えないときは、住宅扶助の基準額の範囲内で1か月分の家賃・間代を計上して差し支えないとされています。

たとえば、8月20日に退院してアパートへ戻った場合、単純に「8月20日から31日までの12日分だけ」を住宅扶助として認定するとは限りません。大家との契約上、8月分の家賃を1か月分支払わなければならないのであれば、住宅扶助基準額の範囲内で必要な1か月分を認定することができます。

また、退院・退所する月になってから住宅を探したのでは間に合わないなど、地域の住宅事情によって事前に住居を確保する必要がある場合には、退院・退所日の前1か月を限度として、前月分の家賃についても必要額を日割りで認定できる取扱いがあります。

では「どこの福祉事務所」が認定するのか?

これは住宅の所在地だけで機械的に決まるのではなく、退院・退所時点でその人に対して保護の実施責任を負っている福祉事務所が基本になります。

特に、居住地のない入院患者や介護老人保健施設入所者については、原則として、現在入院・入所している医療機関・施設所在地を所管する福祉事務所が実施責任を負う、とされています。

したがって、簡単にまとめると、

「退院・退所した月の住宅費は、その時点で保護を実施している福祉事務所が、実際に必要な家賃を確認して認定する」

という理解でよいです。

なお、退院を機に別の市町村へ転居する場合は、「入院中の福祉事務所」と「退院先の福祉事務所」のどちらが退院月の家賃・敷金等を負担するのかという、さらに重要な実施責任の問題が出てきます。これは今回の質問と非常に関連が深く、ケースによって扱いが変わります。

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