(Q)職業訓練手当を毎月受給すれば保護を要しない者についても、訓練終了後に当該手当の一括受給を認め、訓練期間中の保護を継続してよいのでしょうか?
(A)原則として、訓練手当を毎月受給すれば生活保護が不要になる人であっても、本人が希望する場合には、一定の条件のもとで訓練終了後の一括受給を認め、訓練期間中の生活保護を継続する取扱いが認められることがあります。
生活保護の運用事例では、職業訓練手当について、被保護者の自立助長の観点から一括受給を活用できる場合があると整理されています。特に、訓練終了後に就労して世帯として生活保護から自立できる見込みがある場合には、一括受給が適当とされています。
例えば、Aさんが職業訓練を受けていて、訓練手当を毎月受け取れば収入が最低生活費を上回り、その間は生活保護が不要になるケースを考えます。この場合でも、Aさんが「訓練期間中は生活保護を受けながら訓練に専念し、手当は訓練終了後に一括して受け取りたい」と希望する場合、一定の条件のもとで、その方法を認めることができます。
ただし、重要な注意点があります。
まず、訓練開始と同時に生活保護の申請をした人については、この一括受給の取扱いは認められないとされています。つまり、すでに生活保護を受けている人が訓練を開始する場合などを想定した取扱いです。
また、一括受給にした場合、毎月受給する場合と比べて勤労控除の取扱いなどで本人に不利益が生じる可能性があります。そのため、福祉事務所は、毎月受給した場合と一括受給した場合の違いを確認したうえで判断する必要があります。
さらに、訓練終了後に就職しても世帯全体として生活保護から自立できる見込みがない場合には、むしろ訓練手当を毎月受給させ、毎月の収入として認定する方が適当とされています。
なお、現在の求職者支援制度の「職業訓練受講給付金」は、制度上、要件を満たせば訓練期間中に1か月ごとに支給される仕組みです。したがって、ここで説明している一括受給の取扱いが、現在存在するすべての職業訓練関係給付にそのまま適用できるわけではなく、対象となる手当の根拠制度と支給方法を個別に確認する必要があります。
要するに、「毎月訓練手当を受ければ保護不要になるから、必ず生活保護を廃止・停止しなければならない」というわけではなく、すでに被保護者で、本人が希望し、訓練終了後の就労・自立が見込まれるなどの条件を満たせば、一括受給として訓練期間中の保護を継続できる場合がある、という考え方です。
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