(Q)養護老人ホームに入所している無年金者や収入のない要介護者が、介護保険料を負担できない場合、生活保護の申請があった際には、要保護者として介護保険料分の扶助費を支給することになるのでしょうか?
(A)この場合、結論からいうと、養護老人ホームに入所している無年金者などで、介護保険料を負担する収入がない人であっても、介護保険料分だけを生活保護の「介護保険料加算」として支給する必要はありません。
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第7問73では、まさにこのケースが示されています。そこでは、養護老人ホーム入所者で、費用徴収基準の「第1階層」に該当する人については、介護保険料加算に相当する生活需要は、老人福祉法による施設の措置費の中にすでに含まれているとされています。
つまり、養護老人ホームに措置入所しているAさんが、
「無年金で収入がない」
「65歳以上で介護保険料がかかる」
「保険料を自分では払えない」
という状態だったとしても、Aさんが費用徴収基準の第1階層に該当しているのであれば、介護保険料相当分は施設措置の中で保障されているため、その分だけを理由に生活保護を開始して介護保険料加算を支給することはしません。
これは、一般の生活保護受給者との取扱いが少し違うところです。通常、65歳以上の生活保護受給者が介護保険第1号被保険者で、介護保険料が普通徴収される場合には、生活扶助の「介護保険料加算」として実費相当額が支給されます。
しかし養護老人ホームの措置入所者については、老人福祉法による援護で生活上必要な費用が保障されているため、生活保護は原則として医療扶助など必要な部分に限って適用されます。厚労省通知でも、養護老人ホーム入所者については、老人福祉法による必要な援護が行われるので、医療扶助を除き、原則として生活保護による保護を適用する必要はないとされています。
さらに、すでに医療扶助だけを受けている養護老人ホーム入所者についても、介護保険料加算を別途計上する必要はないと明示されています。
したがって、整理すると、
一般の在宅の生活保護受給者
→ 条件を満たせば介護保険料加算を計上
養護老人ホームに措置入所し、費用徴収基準第1階層の人
→ 介護保険料相当の生活需要は措置費に含まれるため、介護保険料加算を別途支給しない
養護老人ホーム入所中で医療扶助だけ受けている人
→ この場合も、介護保険料加算は計上しない
という取扱いです。
要するに、「介護保険料を払う収入がない=その保険料分だけ生活保護を支給する」ということにはなりません。養護老人ホームの第1階層の入所者については、介護保険料相当分も老人福祉法上の措置費の中で保障されているため、生活保護から重ねて支給しないという考え方です。
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