(Q1)他の市町村から転入してきた被保護者が、転入前の市町村から月割賦課による未納分(滞納したものを含まない)の保険料を請求されている場合、介護保険料加算を認定しても差し支えないのでしょうか?(Q2)介護保険料加算を行う場合、加算を行うのは転出前の保護の実施機関と転出後の保護の実施機関のどちらになるのでしょうか?

(A1)はい、一定の範囲で介護保険料加算を認定して差し支えありません。

厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」問68では、まさにご質問のケースについて示されています。結論は、転入前の市町村から請求された未納保険料のうち、転入前に生活保護を受給していた期間に対応する額を限度として、介護保険料加算を認定できるというものです。

例えば、AさんがY市で生活保護を受けていた後、X市へ転居したとします。その後、Y市から「転出までの期間に対応する介護保険料がまだ未納です」と請求された場合です。この未納分が、単なる長期滞納ではなく、転出に伴う月割計算によって後から請求された保険料であれば、そのうち生活保護受給期間に対応する額について介護保険料加算の対象にできます。

重要なのは、誰が加算するのかという点です。この場合、転出前のY市ではなく、現在生活保護を実施している転出後のX市の福祉事務所が介護保険料加算を認定します。

一方で注意が必要なのは、普通の「滞納保険料」との違いです。生活保護開始前などから長期間滞納していた介護保険料について、生活保護費で後から穴埋めすることは原則として認められません。実施要領の問67でも、保護開始前の滞納分は介護保険料加算の対象にならないとされています。

つまり、

〇 転居後に月割計算された結果、転入前自治体から後日請求された未納分
→ 転入前の生活保護受給期間に対応する額まで認定可能

× 以前から単純に支払わず滞納していた保険料
→ 原則、介護保険料加算の対象外

という違いがあります。

なお、逆に転入前の市町村から介護保険料の過納分が還付された場合には、その還付金は、原則として転出後の生活保護実施機関で収入認定する取扱いです。

要するに、**「前の自治体からの請求だから対象外」というわけではなく、月割賦課によって後から請求されたもので、かつ生活保護受給期間に対応する保険料であれば、現在の福祉事務所が介護保険料加算として認定できる」**と理解すると分かりやすいです。

(A2)介護保険料加算を行うのは、原則として転出後、現在生活保護を実施している福祉事務所です。

たとえば、AさんがY市で生活保護を受けていた後、X市へ転居し、その後Y市から転居前の期間に対応する介護保険料の未納分を請求された場合でも、現在Aさんの生活保護を担当しているX市が介護保険料加算を認定します。

ポイントは、請求している自治体がどこかではなく、その時点でどの福祉事務所が生活保護の実施責任を負っているかです。

したがって、

転出前のY市が保険料を請求
→ 転出後のX市が生活保護を実施中
→ X市が介護保険料加算を認定

という流れになります。

ただし、認定できるのは、前回お伝えしたように、転出前に生活保護を受けていた期間に対応する月割賦課の未納保険料が基本です。単なる過去の滞納分まで加算できるわけではありません。

要するに、「昔の保険料だから転出前の福祉事務所が払う」のではなく、現在保護を担当している転出後の福祉事務所が、要件を確認して介護保険料加算を行うと考えると分かりやすいです。

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