(Q1)丙が丁に引き取られた時点で、甲と丙からなる世帯は分解し、甲は単身者とみなされるのでしょうか?(Q2)甲の退院が近い将来に見込まれており、丙の引き取りが暫定的なものである場合、甲および丙の居住地はどこにあると解されますか?
(A1)丙が丁のもとへ引き取られ、実際に丁と生活・生計を共にするようになった場合は、原則として甲と丙の世帯関係は解消され、甲は単身世帯として認定されます。
生活保護上の世帯は、住民票だけでなく、主に次のような生活実態で判断されます。
- どこで生活しているか
- 食費や生活費を誰が負担しているか
- 日常生活を誰と共にしているか
- 今後もその生活が継続する見込みか
したがって、丙が一時的に丁の家へ預けられただけで、甲が丙の生活費を負担し、近く戻る予定である場合は、直ちに世帯が分解されるとは限りません。住所が別でも、生活費の仕送りなどから甲と丙を同一世帯と認定する場合があります。
一方、丙が継続的に丁の世帯で生活し、丁が丙の生活費を負担しているのであれば、通常は次のように扱われます。
甲・丙の2人世帯
↓ 丙が丁に引き取られ、生活の本拠も移る
甲は単身世帯、丙は丁の世帯の一員
厚生労働省の実施要領でも、「同一の住居に居住し、生計を一にしている者」を原則として同一世帯と認定するとされています。したがって、引き取られたという事実だけで自動的に決まるのではなく、丙の生活の本拠と生計が実質的に丁へ移ったかどうかが重要です。
分かりやすくまとめると、丙が完全に丁のもとで暮らすようになったのであれば、甲は原則として単身者とみなされます。ただし、一時的な預かりであれば、甲と丙の世帯が継続していると判断されることもあります。
(A2)甲の退院が近い将来に見込まれ、丙が親族などに引き取られているのも一時的・暫定的なものである場合、甲と丙の居住地は、原則として甲が入院前に住んでいた元の住所地にあると考えます。
つまり、
- 甲は入院していても、退院後に元の家へ戻る予定である
- 丙も甲の入院中だけ一時的に別の場所で生活している
- 元の家に家財道具などが残り、生活の本拠が維持されている
という事情があれば、病院や丙の一時的な引取先へ居住地が移ったとは扱いません。したがって、甲と丙は同じ世帯として、元の住所地を管轄する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことになります。
わかりやすく言うと
「入院中や一時的な預かり先は、仮に滞在している場所にすぎず、本来の生活の拠点は元の家にある」という判断です。
ただし、甲の入院が長期化し、元の家に戻る見込みがなくなった場合や、丙が引取先で継続的に生活することになった場合は、居住地や世帯認定が変更される可能性があります。
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