(Q1)保護申請時において、申請者が何らかの保険に加入している場合、すべての保険を解約させる必要がありますか?(Q2)保護申請時の保険の取り扱いについて、どのような基準や手続きが設けられていますか?

(A1)いいえ、保護申請時に加入している保険を、すべて一律に解約させる必要はありません。

厚生労働省の現行の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第3・問11では、まず原則として、保険を解約したときに受け取れる「解約返戻金」は資産なので、最低生活の維持のために活用するとされています。

しかし、例外があります。次の2つの条件を満たす場合には、保険を解約させずに生活保護を適用して差し支えないとされています。

  • 解約返戻金が少額であること
  • 支払っている保険料が、当該地域の一般世帯との均衡を失しない程度であること

この場合は、将来その保険の保険金または解約返戻金を実際に受け取った時点で、生活保護法63条を適用することを条件として、保険を残したまま保護を開始できます。

例えば、生命保険に加入していて、現在の解約返戻金がごく少額で、毎月の保険料も一般家庭と比べて過大ではない場合です。このようなケースなら、

「生命保険に入っているから、まず全部解約してください」

と一律に扱うのではなく、解約返戻金の額や保険料の負担額を確認したうえで、保有を認められるか判断することになります。

一方、解約返戻金が高額で、すぐに現金化できる場合には、原則としてその返戻金を資産として生活費に充てることが求められます。

なお、学資保険にはさらに別の特例があります。一定の条件を満たす学資保険については、保護開始後に満期保険金等を受け取った際、保護開始時点の解約返戻金相当額について63条を適用することを前提として、解約せず保有できる場合があります。

したがって、簡単にまとめると、「保険は全部解約」ではありません。解約返戻金は原則として資産活用の対象ですが、返戻金が少額で、保険料も地域の一般世帯との均衡を失わない程度なら、将来の保険金・返戻金受領時に63条で処理することを条件として、保険を残したまま生活保護を受けることができます。

(A2)保護申請時に保険へ加入している場合、「保険に入っている=必ず解約」という扱いではありません。
ただし、解約するとお金が戻ってくる保険については、その解約返戻金を資産として活用するのが原則です。厚生労働省の現行実施要領・第3問11でも、そのように定められています。

判断の中心になるのは、次の3点です。

  1. 解約返戻金はいくらあるか
    高額な解約返戻金があり、すぐ生活費に使える場合は、原則として解約して最低生活の維持に活用することになります。
  2. 解約返戻金が少額か
    返戻金が少額であれば、例外的に保険を残したまま保護を開始できる場合があります。
  3. 保険料が一般世帯との均衡を失わない程度か
    毎月の保険料が過大ではなく、その地域の一般世帯と比べても不相応でないことが必要です。

この「返戻金が少額」かつ「保険料が一般世帯との均衡を失わない」という条件を満たす場合には、保険を解約させずに生活保護を適用して差し支えないとされています。

ただし、その場合には条件があります。将来、その保険について保険金や解約返戻金を実際に受け取ったときに、生活保護法63条による費用返還の対象として処理することを前提に保有を認める、という仕組みです。

例えば、保護申請時に生命保険があり、

  • 解約返戻金が1万円程度
  • 毎月の保険料も比較的少額
  • 地域の一般家庭と比べても不相応な契約ではない

という場合であれば、「1万円を受け取るために必ず保険を解約しなければならない」とは限らず、契約を継続したまま保護を開始できる可能性があります。

一方、解約すれば100万円など相当額の返戻金が受け取れる場合には、通常はその資産を先に生活費として活用する方向で判断されます。

また、実際の手続きでは、福祉事務所が保険会社等への調査も含めて、保険の種類、契約者、被保険者、保険料、解約返戻金の有無・金額、満期時期などを確認し、解約が必要か、保有を認められるかを判断します。

なお、学資保険については別途特例があります。 一定の要件を満たす学資保険については、保護開始後に満期保険金等を受け取った際、保護開始時の解約返戻金相当額について63条を適用することを前提として、解約せずに保護を適用できる場合があります。

要するに、

「保険は原則として解約返戻金を資産として確認する。しかし、返戻金が少額で、保険料も一般世帯との均衡を失わない程度なら、将来の保険金・返戻金受領時に63条で処理することを条件として、解約せず保護を開始できる」

というのが基本的な取扱いです。

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