(Q)高等学校等に就学しながら保護を受けている者の就労収入に係る基礎控除は、就労収入の総額に適用されますか。それとも、就労収入から高等学校等就学費の支給対象となる費用および就学費の基準額で賄えない、就学のために必要な最小限の経費を差し引いた額に対して適用されますか。

(A)はい。この質問は、生活保護を受けながら高校などに通っている生徒がアルバイトをした場合、勤労収入に対する「基礎控除」を、どの金額に適用するのかという質問です。

① 結論

基礎控除は、原則として就労収入の総額を基に適用します。

つまり、高校生のアルバイト収入から、就学に必要な費用を先に差し引き、その残額に基礎控除を適用するのではありません。

基本的な考え方は、次の順序です。

  1. アルバイトによる就労収入を確認する。
  2. その就労収入に対して、基礎控除を適用する。
  3. さらに、高等学校等就学費で賄えない就学のための必要最小限の経費について、収入認定除外の対象となるか判断する。
  4. 最終的な収入認定額を決定する。

なお、社会保険料など、別途控除が認められる必要経費がある場合には、その取扱いも確認します。

② 具体例

生活保護を受けている高校生のA君が、アルバイトで月5万円の収入を得たとします。

また、学校生活に必要な費用として、高等学校等就学費では賄えない経費が月1万円あるとします。

説明のため、基礎控除額を仮に1万5,000円とします。

項目金額
アルバイト収入50,000円
基礎控除(仮定)▲15,000円
就学のために必要な経費(認められる場合)▲10,000円
収入認定額25,000円

この例では、5万円の就労収入を基に基礎控除を計算し、そのうえで、収入認定から除外できる就学経費を差し引いています。

※基礎控除額1万5,000円は計算方法を説明するための仮定であり、実際の控除額は所定の基準によります。

③ なぜ就学費用を先に差し引かないのですか?

基礎控除と、就学費用に関する収入認定除外は、目的が異なるからです。

基礎控除は、働いて収入を得たことに対して適用される控除です。

一方、就学費用の収入認定除外は、高校生が就学を継続するために必要な経費を確保するための取扱いです。

そのため、両者を区別して計算します。

④ 注意点

特に重要なのは、高校生のアルバイト収入から、学校に関係する費用なら何でも差し引けるわけではないということです。

収入認定から除外できるのは、制度上認められる就学のための必要最小限の経費です。

また、高等学校等就学費や他の給付で既に賄われている費用を、重複して差し引くことはできません。

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

生活保護を受けながら高校などに就学している者の就労収入に係る基礎控除は、就学費用を差し引く前の就労収入の総額を基に適用します。

そのうえで、高等学校等就学費では賄えない、就学のために必要な最小限の経費について、別途、収入認定から除外できるかを判断します。

つまり、**「就学費用を引いてから基礎控除」ではなく、「就労収入に基礎控除を適用し、就学費用は別に判断する」**ということです。

⇓

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所